昨、11月6日 国民文化祭・京都2011に参加しましたが、900名を超す出席者で圧倒されました。大会後の交流会は実に楽しく、有意義でありました。その際、小中学生や高校生などの若い人の川柳への関心を高め、定着させるにはどうしたらよいかなどの話がでました。次に、灘校での土曜講座の報告を転載してみます。
現勤務校である灘校(中・高)においては土曜日に、各界でご活躍のOBや本校の教諭などによる各種講座を開いている。希望者を募り自由に受講できる時間を設けており、生徒たちの好評を博しそれなりの成果をあげている。
1学期には、マスコミで「奇跡の教室」と紹介された97歳の元灘校国語教師、橋本武師の『銀の匙』の授業も開講された。
2学期には講座の1つとして「川柳」(氷筆担当・2度目)が組み込まれた。受講生は高校生6名、中学生12名である。(本校は男子校であるから全員男性)
まず、講座の前日までに川柳2句を各自作って提出し、同時に川柳についての疑問・質問点などを書いてもらった。後者の主なものは次のとおり。
①川柳の発祥とそのルーツ。 ②川柳の名前の元になった柄井川柳の句は? ③川柳に様式 はあるか。 ④伝えたいことがらを十七文字に濃縮する時のコツ。 ④音数の数え方。字余り・字足らずの句について。拗音は一字に含むのかどうか。 ⑤季節的なことばの入った川柳と俳句はどう見分けるのか。そもそも違いはあるのか。 ⑦事実をそのまま書く(オチがない)のでもいいのか。 ⑧狂歌・俳句などとの違い。 ⑨外国では川柳はどれくらい人気があるか。「英語川柳」みたいなものはあるか。 ⑩先生は川柳が好きかどうか―など。
⑩を除けば川柳を始める人が一般的に持つ基本的な疑問である。前もって準備したプリントを渡し、それらに答えていく。
次にこちらから質問したどんな川柳を知っているかについては、日本史で聞く例の「役人の子はにぎにぎを…」が多かった。現代川柳らしい作品については一つも出てこなかった。これについては、「人間のあらゆる活動や思いを詠う五七五」が川柳であり、文芸としての川柳についてきちんと伝える努力をすべきだという反省をした。(全国には、そういう努力をしている人があることも承知しているし、生徒に実作をしてもらい、応募して受賞することもあるが。)
次に虫食い川柳を100題やってもらったが、これには大いに興味を示し皆で楽しんだが、多くが大人の句であり内容については難しい面もあった。中学生も含まれていて無理もないかと思ったが、次からは、小・中・高生の句を中心にして出題すればもっと興味を引くのではないかと思った。1題1点で最高点は60点。
次は、私が講師をしている毎日新聞川柳教室で8月分の出題「着る」の応募句、上位から50句を印刷して各自に8句ずつ抜いてもらった集計結果である。(作者名略)
8点句(4句)
①お下がりの弟 兄と背くらべ
②濡れ衣も着ます貴女の為ならば
③喜怒哀楽いつおさまるや試着室
④浴衣着て花火終われば通勤着
4点句(3句)
⑤あの虹でシャツを仕立てて纏いたい
⑥焼香の喪服のうなじ凝視する
⑦嫁入りに揃えた着物出番無し
場面的にも用語的にも身近な句が選ばれたと思うが、②・⑥などは男子ばかりの選ゆえ抜かれたのかとも思う。大人の作品を選してもらったせいか、私の抜いた三才・佳句とは重なっていないのにやや驚いた。
これまでも学校川柳に真剣に取り組んで成果を上げている方が幾人もある。今後もより多くの学校関係者の理解や協力、柳人の理解や協力をいただきながら、若年層に川柳を滲透させ、正しい川柳理解の上に立って永続的に川柳を楽しむ人を増やしていくことが肝要だろうと思う。
終わりに生徒提出の作品を四句
催眠術どの先生も熟練者 中3
久々に会ったOB彼女持ち 中3
おもしろうてやがて悲しき負け戦 高1
若人の十人十色に燃える秋 高2